我々の自由や権利は、「不断の努力によって、これを保持しなければならない」と憲法12条に明記されている。「不断の努力」すなわち不断の闘いによってしか保持する手立てはないのである。放置すればいつの間にか手枷足枷、真綿で首をしめられるようなことになるということである。自由や権利は、主張し、行使しなければやがて取り消されてしまうのである。黙って、何もしなければ、いつの間にか自由も権利もなくなってしまうといっているのである。「沈黙は金」、「見ざる、聞かざる、言わざる」、「雉も鳴かずば撃たれまい」などと思っていると、「沈黙は禁」となり、「見ざる聞かざる言わざる」は死んだものと見なされ、雉は誰の目につくこともなく葬りさられることにもなりかねないのである。黙って、余計なことは言わず、静かにしていれば、いつまでも自由や権利はあるなどと思っているととんでもないことになるということである。
2019 11/24