71.「戦争が廊下の奥に立っていた」

 この句はある方の年賀状に書かれてあった句であるが、思わず微笑んでしまった。それは共感し得ることに対する一瞬の確認のようなものであった思われる。この句は日中戦争の最中昭和14年、渡辺白泉26歳の時の句である。そして、翌年… 続きを読む 71.「戦争が廊下の奥に立っていた」

投稿日:
カテゴリー: 五叉路

48.「良いお年」 くぐもりけりな 年の暮

 年の瀬の極普通の挨拶にしてもこれ程まで「良いお年を」が言い難いことはなかったように思う。「良いお年を」と言おうとすると口、唇で何か分解、溶解していくような感覚に襲われるのである。たとえ言い得たとしても発せられた同時に瞬… 続きを読む 48.「良いお年」 くぐもりけりな 年の暮

70.アドラーではないが

 最近、アルフレッド・アドラーに関係した本が読まれていると聞く。彼の理論体系は100年程度前に完成しているが20年程前から社会精神医学、自我心理学、認知療法、システム論などの先駆者としても再評価されている。どちらにしても… 続きを読む 70.アドラーではないが

投稿日:
カテゴリー: 五叉路

46.「今は映画を撮っている時じゃない」

 これは11月28日に亡くなった俳優・菅原文太の3・11以後の2012年の俳優引退宣言の際のメッセージである。菅原文太については以前から骨のある日本では稀な俳優であると思っていたが、最近の言動からもそれは窺い知ることがで… 続きを読む 46.「今は映画を撮っている時じゃない」

68.恒産なき者は・・・

 アルバイトをしながら好きなことをする、夢を持つなど、夢中になれるものがあるということはそれ自体決して否定されるべきことではないが、継続、展開するなどは極めて困難である。よく、貧しいながらも「思うこと」を成し遂げた成功談… 続きを読む 68.恒産なき者は・・・

投稿日:
カテゴリー: 五叉路

67.顔

 面白いものである。我々は自分の恥部をさらして歩いているのである。どのように取り繕ってもすべては顔に現れてくる。今までの人生のすべてがそこに現れているのである。亀井勝一郎であったかと思うが、彼もそのようなことを言っていた… 続きを読む 67.顔

投稿日:
カテゴリー: 五叉路