44. 覚悟のない戯言

 寝言、戯言は逆上乱心の表れでもあり、とかく覚悟のできていない者に現れるものでもある。覚悟とは、不可知ではあるが自らの行く末、方向を定め、誰に頼ることもなく責任を取ることである。言ってみれば自らの死に場所を「絞る」作業であると同時にそれを全面的に肯定し得るものを常に「創造」しているかが否応なく問われるところでもある。

 世に「名前」と「顔」だけは知られているらしい者達のビッグマウス、大言壮語が己の無知さ加減を露呈しているに過ぎないということによく出くわすが、どうも本人達は気付いていないらしい。もっとも気が付くほどの器量を持ち合わせていたら聞きかじった程度の空疎な内容を恥ずかしげもなく開陳できるものではない。大衆をコケにしていかに喜ぶかということが「上から下まで」共通認識として出来上がってしまっているようで如何ともし難いが、そうかといってそれに対していつまでも手をこまねいているわけにもいかない.彼らのご開陳の多くは歯牙にかけるのもばかばかしいものが多いが、無思慮なビックマウスは中身のないものをあるがごとくに「繰り返す」ことにかけてはお手の物なのである。そこが問題になるというのも「上から下まで」共通のようである。何においても大衆におもねる大衆迎合路線とは実は大衆蔑視の裏返しであるなどということを今更敢えて言う必要もないが、言わざるを得なくなるのが昨今の事情でもある。

                                                 2013 8/18

 

                                           

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