正確な題は忘れたが、世界の街を大人が散歩するというようなコンセプトの番組であったと思う。暫く観ていたがそこに出てくる女子が何ともかまびすしい。こういう番組は映像とナレーションで十分であろう。ヨーロッパの街角の映像の中にラーメン、お好み焼きの食べ歩きが似合いそうな女子がアーティキュレーションもままならない金属性の高音部の声でまくしたてる会話は単なるノイズでしかなく、女子の存在そのものまでがノイズに見えてくる。有名無名は知らぬがどういうつもりでこのような女子を出演させているのか製作者の神経を疑わざるを得なくなるのである。「大人の散歩」などというコンセプトがあるのであれば尚更である。それとも日本の「大人」とはこの程度のものなのか、少なくとも製作サイドにはそのような意識があるのであろう。若い女を2,3人はべらせておけば何とか間は持つという安易な発想である。どこまでもバライティーショーのノリが抜け切れないとみえる。いつまでもそんなパラダイムにしがみついていたのでは先はない。分からないのであれば大衆に媚びずに、すなわち大衆を馬鹿にせず真面目に普通に作ったらどうか。こういう番組は基本的に映像とナレーションだけで繋いでいけば後は観客の想像力である。製作サイドがキャスティングしたかしましき者たちの登場はまったく必要ない。それは観客の想像力を阻害することにしかならないからである。
2013 9/22