18.「天才は始原を求める」

 天才は「始原」にこだわる、と言うようなことを脳科学者の茂木健一郎は言ったそうであるが、舞踊家 橋本ルシアを見ているとそのことについては具体的に納得できる。彼女は、舞踊の「始原」に関しては勿論のこと、「始原」に関わる古代史についての造詣の深さも半端ではない。現在、書店で溢れている古代史関係の書籍のほとんどは彼女を満足させるものではないらしく、その矛盾点に関する彼女の指摘は激しく、厳しい。この「始原」を求めるエネルギーは一体どこからくるのかとも思われる程である。やはり、天才の領域にいる人間であるとしか思われないのである。同時に、舞踊家としての数時間に渡る激しい稽古はリサイタルの有無に関わらず毎日欠かさない。凡夫のなせる業ではない。

 

                                               2010  7/29

 

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