74.再びナタリー・ポートマン

 ナタリー・ポートマン、ほんとうの女優と言えるレベルの一人である。知性、感性、探究心すべてがそろっている。彼女の存在に気付いたのは「主な作品」にも入っていない、賞とは縁もゆかりもないような2006年の「Vフォー・ヴェンデッタ」のイヴィー・ハモンド役のナタリー・ポートマンであった。それ以前の「レオン」(1994年)のマチルダ役の13歳の時のナタリー・ポートマンも観ているが印象に残る子役という程度の域は出なかった。2006年のイヴィー・ハモンド役のナタリー・ポートマンを観た時点でその後の彼女の「ブラック・スワン」(2010年)に至るまでの成功は予想がついた。そうなって当然の女優なのである。

 しかし、改めて確認するまでもないが彼女の経歴も半端ではない。明確に提起し得る問題意識、想像力、思考回路と言う点においても並ではない。彼女のような俳優が欧米には多いのである。敢えて比較するのも嫌味にしかならないが日本では彼女のレベルと比肩し得る者は皆無。もし、さらに前進するのであればそのような点を明確に押さえて置く必要があろう。

                                                  2015  3/22

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