66.すべては「孤独死」である。

 実のところ、すべての者は一人で死んでいくのである。たとえ、何人もの人々に看取られようともそれは同様である。「孤独死」などという言葉が意味するところもたまたま看取る者が誰もいなかったという以上の意味はまったくない。どちらにしても死に逝く者にはもはや消え入る自分一人しかいないのである。せめて心静かにこの世に別れを告げたいものである。いかに華々しく美しくとも最終章が血みどろではすべては台無しである。蓋し、人間というものは狂わずにはいられないものであるらしく、この世はやはり「精神病院」としか言いようのないもののようである。これでは最期の幕切れが血みどろとならないようにするためにはかなりの深慮が不可欠となる。

 「Ils ne nous aideront pas,on mourra seul.」 ーPascalー

                                                 2014 10/19

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