ディストピアとはアンチユートピア(反理想郷)、すなわち「地獄郷」、「暗黒郷」などと訳されている。ディストピア文学などというものが出始めたのも100年以上前からである。今やそのような「ディストピア文化」はあまりにも一般化され漫画に至っては「ごろつき」の展示場のごとくである。「悪」とは、それだけ大小様々「興味津々」で切りもないものなのであろう。「ディストピア文化」が厭きもせず続いている要因には社会的問題も当然絡んできている。巧妙な愚民化による「管理社会」、「格差社会」等々である。したがって、「ディストピア文化」が厭きもせず続いているとは言ってみても、実際に私はうんざりなのであるが、この社会的状況では今後もますます「進展」するのではないかと思われる。「時計仕掛けのオレンジ」の不良少年は次から次へと登場してくることであろう。彼らにいくら説教しても無駄であろう。その説教が「社会復帰」のためであるならなおさらである。
そうかと言って、ここで現状の問題を無視して歴史認識を欠いた綺麗ごとだけの「ユートピア」のようなものを構築しようとしても、それは空中楼閣そのもので、全くの嘘になる。それに寄与する歯の浮くような美辞麗句も砂上の楼閣。しかし、蜃気楼も見る側の状態で様々である。特に「疲弊」している者にはそれが「現実」のように見える。
2014 3/2