彼はゴミ袋の中で正面を向いて座り込んでいた。まだ真新しさが残る40センチ程の縫いぐるみである。すぐに、ある作家のコメントが頭をよぎった、「ディズニープラスに加入すると、またはディズニー利用規約に合意すると、解約後も永久にディズニー及びその関連会社や子会社のあらゆる行為に対して通常の訴訟を提起する権利を放棄したことになる」このドナルドダックの主も何かあったのであろうか。実際、アメリカでは死亡事故も起きたが、この利用規約を盾に訴訟問題が難航しているようである。ディズニープラスに一旦加入すると、解約後でもディズニーの関連会社の問題については訴訟を提起する権利すらないということである。ディズニーランドでは当然の権利がいつの間にか消えているのである。それは誰もきちんと読まない長ったらしい利用規約の中に、すぐにそれとはわからなように忍び込ませているのであろうか。それは何かあった時にしか気づかないようになっているのか、そのような仕組みになっているとしたら、それもまた怖い話である。それでは、「ジャパニーズランド」ではどうか、ここでも気が付かない内に様々な事が進められ、いつの間にか決定事項となっているというケースが多々ある。今まで当然あると思っていた権利が消失している。怖いと思った時はもうすでに遅いのである。しかし、気が付かないだけで身近にあるミステリー、ホラー、などは取り上げたら切りがないだろう。ミステリーどっぷりの「ジャパニーズランド」から、今度は料金を払ってディズニーランドでの実質「死の体験」、動きは剣呑なりとはよく言ったものである。無暗に動き回れば回る程、資本に絡め取られるだけというのが実情であろう。
一瞬、炎の中に沈むドナルドダック姿が浮かんだ。
2024 8/27