R・TW-20 ゲッべルスの手法そのままに

 2024年7月の都知事選は、様々な様相を見せつけてくれたが、日本のマスメディア一般からは全く肝心な問題点は伝えられず、それがなかったかのごとくに抜け落ちていた。以下はこのサイトで2012年2月18日に「プロパガンダの天才」として取り上げたヨーゼフ・ゲッべルスからの抜粋である。ヨーゼフ・ゲッべルスとは、ヒットラー率いるナチスの宣伝相である。

 現在のCMの技法は、ゲッべルスの考え出した手法で、宣伝とは気づかれないように行い大衆が心に抱いている不安、疑問、欲望を遠回しに刺激し、爆発させる。知能レベルの低い層に合わせた宣伝を心掛け、それが自分の意見であるがごとくに思わせる方向に、さらにその感情さえもプロパガンダによって作られたものであることを悟らせない方向に巧妙にもっていくのである。バカバカしい程の単純化と暗示で彼らがターゲットにしている階層はたやすく動くことをよく知っているのである。テレビなどで、談笑の内に繰り返されるさりげない会話が、いつしか自分の思考回路の中に組み込まれていくのである。都知事選でも、肝心なことは報道しない上に、様々なテレビ番組で、手の込んだ印象操作が繰り返されていた。さらにはユーチューブ、TikTokなどをフル活用して、バカバカしい程の単純化と暗示で低レベル層をターゲットに働きかけた。これは、政官財、電通、カルトの依頼を受けた選挙参謀がゲッペルスの手法をそのまま活用していただけの話である。新しい選挙戦でも何でもない。ヒットラーお気に入りの宣伝相ゲッペルスの手法の完全コピー、踏襲である。ナチスドイツなどの軍事政権に対する歴史的且つ批判的総括ができている国とそうでない国との差は歴然としている。日本は後者に属する、すなわち、その手に何度でも騙されるのである。平然と大臣職にあったものが「ナチスに見習うべきだ」などと発言できてしまう国なのである。少なくとも、先進諸国レベルではその一言で職を追われることとなる。今後も、この特殊な国の民主主義と対峙しながらやらざるを得なくなるであろう。知ってはいてもナチスの手法など取れるかという人々と、ナチスの手法を見習おうと平気で言えてしまう人々との戦いになるのは目に見えている。要するに、目的のためには手段を選ばない者たちと、そうではない者たちとの対峙ということである。現状に照らし合わせれば、政官財、カルト、電通、メディアとそれを追及する側、民主主義国家であれば、大方の国民は追及する側に属するのであって、決してその反対ではない。自分の立ち位置もわからず、1%程度しかいない者たちの言うがままというのは奴隷根性のなせることか、あるいは、それこそまさに身の程知らずな愚か者ということになる。

 とにもかくにも、今回の都知事選、「ゲッべルスの罠」にまんまとはまったということである。

                2024 7/19

※2024年9月上旬、NHKの「バタフライエフェクト」でゲッべルスのことが流されていた。

 

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