23. 2012年の忘れられない贈り物

 私がボランティアの一環として行っていた体の不自由な高齢者から数個のみかんとドリンク剤1本をもらった。「今年1年、ほんとうにありがとう」と言いながらみかんとドリンク剤の入ったビニール袋を私に手渡す彼の表情と仕草が目に焼き付いた。今、そのみかんとドリンク剤はなぜか戸棚の上に置かれたまま手つかずである。

                                                                                                                                                          2012 11/28

追記:人の善意を利用する組織も多い、その最たるものが国であろう。しかし、国のやるべきことであると言って今、現前で溺れかかって手を差し出している人間を見捨てるわけにはいかなくなるのも「人間」である。と同時に「人間」として当然の一つの行為を「絆」などという分かったような言葉で安易に括くられると妙に腹立たしさを覚えるのも確かである。

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