95.「終戦記念日」に敢えて

 「終戦記念日」に近づくと、毎年、「戦争否定」と「祈り」と体験談が続く、記し語り続けなくてはいけない事もある。しかし、「祈り」ばかりではなく、「必要悪」という名のもとに「武器商人」を暗躍させているのは米、中、露、仏、英などであることも忘れてはならないことである。日本については米国と「一心同体」で、敢えて言う必要もあるまい。武器商人は言う、「平和は儲からない」。これは「武器商人」ばかりではない(例えばフィクサーなども含む)が、これが「必要悪」といわれている真相の一面でもあるが、目先の「利益」ばかりに追われていれば早晩「武器商人」の「必要悪」にさらに適当な口実を与えことになり、「必要悪」は、美辞で括られいつしか「必要善」となり、またぞろ無能の証でもある戦争が繰り返されることになる。平和は儲からない、だから愚者は平和平和とお題目を唱えながら陰では戦争への道筋をつけることに躍起になるのである。北朝鮮が不穏な動きを見せた時、嬉々としていたのは軍需産業関係者たちと武器商人などを囲っているその国の長である。だから、武器商人に対しては何をしようが、どのようなことがあっても結局は「お咎めなし」ということになり、彼らが表に出てくることも決してないのである。身近にある様々な物、電化製品、パソコン、車などにしても、それを作っている企業はいつでも軍産複合体の一部となる。それも経済的失策が繰り返され、不景気になればすぐに軍需産業にシフトするということである。彼らは改憲を手ぐすね引いて待っている。今、改憲を急ぐ者たちとは日米一体となり軍需産業活性化に寄与するものたちで、「戦争否定」、「祈り」とはまったく正反対の方向に進む者たちである。火種を求めて暗躍する「武器商人」、「戦争屋」の類と何ら変わるところはない、唯一異なるところは表立ってもっともらしい分析、美辞麗句を並べ立てるかどうかという点であろう。暗躍する者に言葉はない。フィクサーは「空気」を作るのである。

 こんなことを書いていると2001年9月の私の作・演出の芝居の上演の際に観客に配布した作品内容とコメントを思い出した。あの時と同じようなことをまた言っているのである。私に発展性がないのか世界が何も変わっていないか、後退しているかのどちらかであろう。

 因みに、六本木ヒルズ(54階)、虎ノ門ヒルズ(52階)などの総工費はステルス戦略爆撃機B-2の一機分の値段である。後は推して知るべし。

 

 

                                 2018 8/14    

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