57.要するにすべての既得権益自体が問われている

 根本的なことが問われているということは、言ってみればすべての既得権益自体が問われているということでもある。それについての徹底的な検証、あるいは解体ということが問題となるべきで、それ以外のいかなる保身ももはや通用しないということである。今、既得権益にすがる者たちは時代のうねりの中に沈み行くより他に手立てはあるまい。その方向でできることといえばせいぜい今まで以上に「泡立てる」ことくらいであろう。それもやがては姿、形も定かではなくなる。「継続」ということが大なり小なり既得権益の死守ということならばそんな「継続」は必要はないし、むしろ害の方が多過ぎる。現在の如何ともい難い状況を作り出してきた、またはそれに加担してきた者が今更何をもっともらしいことを言っているのかと事あるごとに思っている。自己を厳しく裁断できぬ者が保身に回るのは常ではあるが、それでは後退するだけである。後退はやがて腐臭を放ち朽ちる。そのすべてが現状である。「保身に回る」ということと「保守」ということをすり替えられると困るので敢えて言うが、「徹底的な検証」も「三下奴」ではない「正常な」保守主義の領域では成り立ち得るはずのものである。

 

                                     2015 7/12

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