32. 「お笑い」芸人とイケメン「俳優」

 いつ頃からか、日本の「お笑い」芸人を見ていると存在すること自体に不快感を催すことの方が多くなった。まったく笑えないのである。笑えないお笑い芸人、それが日本のお笑い芸人である。

一方のイケメン「俳優」は内外共通で一部の例外を除いて、何をしてもホストにしか見えず,どんな役をやらせてもまったくリアリティがない。

 両者に共通しているNGの主なる原因は、その容貌の美醜にたより過ぎること、すべてにおいてその行動様式そのものが精神的深化の道筋を阻んでいることなどが挙げられる。自己を究めるより追い求めるのは女の尻、男の尻ばかりといった風情が滲みでているのである。もっともこれは「お笑い」芸人とイケメン「俳優」に限られたことではないがそれが特に際立ってしまうということである。日本の文化レベルに対する「安手」、「安易」というのが「目利き」ばかりではなく大方の共通認識となっていることについては今更多言を要さない。

 その時受ければいいなどという発想そのものが先のない泡沫であることの証左である。今やテレビに出て泡沫であろうと何であろうと顔が売れればいいなどという痛々しいまでの安易な考えはまったく意味をなさなくなりつつある。むしろ細部にわたってチェックされマイナス要因を作ることの方が多くなるだろう。それはいくら志向してももはや「大衆のおもちゃ」にもなりえないというより大衆自身が粗雑な「おもちゃ」に飽き、見限っているからである。

 

                                                    2012 10/13

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