エマヌエル・トッドについては、このサイトでもすでに取り上げたが、最近「第三次世界大戦はすでに始まっている」と書いていることを知った。しかし、私としては、すでに4月24日の時点でそのことについてこのサイトで書いているので、彼の言っていることは、単なる反芻要素にしか過ぎない。それは彼の論理的帰着点でもあろうが、簡潔に言えば、やはり全体知としての哲理に欠けたところが問題であると思われる。「第三次世界大戦」がすでに始まっているということは、ある意味では確かなことであろう。それは濃淡の激しい毒ガスのように様々な色と臭いを伴って世界中に広がっている。この「核分裂」の「波動」とも思われる「動き」と「流れ」は、あらゆる相乗作用を引き起こし、短時間で止めることは極めて困難である。そして、それは認知できる、できない、意識するしないに関わりなく、すべてを巻き込んでいくだろう。しかし、総じて、「大厄難」の訪れとはこうしたものである。そして、「他人事ではない」「対岸の火事」ではないと危機感だけを煽っている者の多くは、いざという頃には、戦場でピクニックもできてしまう者たちであることを知るべきである。
2022 7/5