「シンギュラリティとは、AIなどの技術が、自ら人間より賢い知性を生み出すことが可能になる時点を指す言葉」で、米国の数学者により広められ、人工知能研究のレイ・カーツワイルも提唱する概念である。そして、2045年にはその特異点は訪れると提唱している。
結論から言えば、19世紀の科学万能主義の「夢」の託し方同様、こうした科学万能主義の「夢」物語には、どこかmadな、いかがわしさを感じるのである。実際に危険でもある。同時に、人間が、技術的な領域のみならず全的に人間を超える「もの」を作ることは絶対に不可能とみている。要するに、その思考回路自体がオメデタイのである。この手の希望的観測は根幹部分が脆弱なため、いつ悪夢となっても不思議ではないのである。
それでは、人間より「賢い知性」とは、どのような「こと」、「状態」を指し示すのか?「シンギュラリティ」などは永遠に訪れることはないと思っている。追い求めること自体に多少の意義はあったにせよ、その特異点を認知することは決してできない。
2020 11/12