名前と顔だけはよく知られた御仁たちの物言いとその内容を見聞きしていると、つい出てしまう言葉が「あなたは、一体何を知っているというのか?」という極原初的な問いである。本人はしたり顔で話しているが、底が浅く、底が割れてしまっているから「残るもの」が全くないのであるが、その残滓だけは妙に拡散されやすい。結局のところ、一体何が言いたいのか?今の話は何の話であったのかということになるが、リテラシーのない者、情報弱者にとっては、目に見えない弊害も計り知れない。今や「上」から「下」まで質問に対して答えにならないことを平然と繰り返すことが日常茶飯事となってしまっているのが実情である。言い換えれば、詐術が王道となってしまったような世界では、問い続けることをやめることは、すなわち自らの「死」を早めることになるということである。
2019 6/20