影山優佳(17歳)が「日本倫理・哲学グランプリ」で銅賞をとった。彼女はアイドルグループ「けやき坂46」に所属しているが、今年6月から学業に専念するために活動を休止しているということである。個人的にはアイドルグループなどにはまったく興味もないが、昨今の事情を考えると、ものごとをしっかり考えられる若手の登場の兆しは何とはなしに嬉しいものがある。彼女は今後、1993年から世界の高校、大学の哲学教授などで開始された「国際哲学オリンピック」へ参加することになるのであろう。今回はアリストテレス、マルティン・ルター、アンリ・ベルグソン、和辻哲郎などの課題文から一つ選択して哲学エッセーを書くことが課題である。楽しみである。それについて「アイドルはバイト感覚か」などとわかったような嫉妬まじりの半可通の御託もあるようだが、歯牙にもかけず思うことをやればよい。現状の日本の「ニセモノ文化」にどっぷり浸かっているような者たちには何も見えてはこない。そのような者たちといちいち同調する必要もなかろう。アイドルも、演芸一般も、アスリートさえ根本的な質の転化を余儀なくされているのである。
2018 11/29