還暦をとうに過ぎた友人から、久しぶりに手紙をもらった。その中に、「ずいずいと悲しみ来れば一匹のとんぼのように本屋に入る」という安藤美保の歌に涙したということが書かれてあった。私はその素直な心情吐露が何か嬉しかった。還暦を過ぎてなおみずみずしいその感性に共感したのである。こういう方がまだいたのである。彼の生き方そのものがそのような瞬間の哀惜の念によって支えられていたのであろうと思われる。すばらしいという意味で「若い」。
そういえば、私も三高寮歌「琵琶湖周航の歌」、小口太郎が20歳の時に作詞した歌に涙したこともある。彼は26歳で自殺している。
2018 11/18