3.演出家・平山勝(Metteur en scène Masaru Hirayama)

 

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"Pour l’amour de Gérard Philipe"

「I’ironie des sorts l’affichage parisien   ーPierre Notteー

(後方の建物はコメディフランセーズ)                                         2011 2/19

 2月23日から4月下旬までの約2か月間、パリでのこの公演は人気俳優、アイドル歌手を使ったものとなったらしい。こうなるとピエール・ノットの世界がいいように中和されてしまうような気もしないではなかったが、案の定、後日、この公演を観たフランスの方が、私の演出した日本での公演の方が面白かったと言っていたことを知り、何とも複雑な心境にもなった。

<Information 2010>

  私の翻訳・演出で2010年6月に東京で上演しようと思っていたピエール・ノット作品「Et l’enfant sur le loup」はキャストに問題があり延期することになったが、パリでは2010年、2011年1月ー2月、主役は往年の大女優Judith Magre,ナレターの狼役はピエール・ノット自身で上演された。演出はPatrice Kerbrat(Théâtre de l’Union  ,Théâtre du Rond Point)。やはりJudith Magreの演技は抜群であったという演劇評が出ている。因みにこの時Judith Magreは84歳である。あらためて民度の差を思い知らされた。この公演プログラムのピエール・ノットの略歴の中には私も登場していたようだ。光栄である。

 <Information2020>

「演劇評論」などでもっともらしく書かれていることなどは、大方が金と時間があれば解決できることである。自らの「評論」の腕を見せびらかすかごとくの上滑りな「内容」ばかりが目に付く。現状は相変わらず、たとえ演劇集団自体に結束力があったとしても「負け戦」に玉砕を覚悟で挑むようなものである。1度や2度善戦したとしてもやがて潰れていくのは目に見えている。そもそも、「この地」には「文化」を育む土壌が欠損してしまっているのである。今では、それがさらに進行拡大しているので「この地」の演劇活動も受難の時代というより緩慢なる排除の対象になってしまっているということである。文化瓦解の具体的な一例である。(4/9)

 


 

〇シアターχ提携公演

「ジェラール・フィリップへの愛ゆえに」

作 ピエール・ノット 翻訳 真知子Raveau

演出 平山勝

出演 高橋和久 山下裕士  Linda  打越麗子 小畑英昭

2009年4/21(火)ー4/26(日)

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 山下裕士             高橋和久  Linda

 

  ※内容については、カテゴリー「メッセージ」12参照

 


 

「北をめざす二人のおばさん」

作 ピエール・ノット 翻訳 中條忍

演出 平山勝

出演 仙北谷和子 三好美智子 倉地彩乃

2009年4月21日ー4月26日 シアターχ                                             

 

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  仙北谷和子                   三好美智子

 ※内容については、カテゴリー「メッセージ」12参照

 

「ジェラール・フィリップへの愛ゆえに」、「北をめざす二人のおばさん」2作品を観て

              中條忍(仏文学者、翻訳家)青山学院名誉教授

 よい舞台であったと言う以外、言葉はありません。ノットさん(ピエール・ノット)も舞台の作り、役者の動かし方、透明でわかりやすい運び、などほめていました。私も2本の演出に関し、ノットさんと同じ感想を持っています。簡単な道具、単純な照明、そして音楽、それらが実にたくみに使われ、舞台の奥行きを増していました。ー中略ー今回の2本の作品も歌が入っていますが、この3月にオデオン座がオリヴィエ・ピィ演出でクローデルの「繻子の靴」全曲を通しで上演しましたが、本来喋るべき台詞を歌にしている箇所がいくつもありました。

 

※中條氏は「北をめざす二人のおばさん」の翻訳者でもあり、クローデル研究の泰斗でもある。

※2作品のピエール・ノット氏の評は「メッセージ」の12を参照  

 

 

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