「日本の選択」と題して、「長年の平和主義を捨て去り、自国を軍事大国にすることを望んでいる」と米誌タイムは報じた。何度も言っていることではあるが、「言っていること」ではなく、「やっていること」を見れば当然の帰結なのである(報道としては正常に機能している)。したがって、それについて、どのように講釈を垂れて弁解してみても、やっていることは実質的に軍事大国化しているということである。このタイム誌の表紙はアジア圏内のみであるということであるが、それはそうであろう、それ程スター性もない一国の首相ごときの写真を全世界に流布させる必要もあるまい。というより、言っていることよりやっていることを見れば、日本国内のようなオメデタイ受け取り方、捉え方(忖度記事など)は決してしないということである。タイム誌とは別に、諸外国から日本の動きを見ていれば、今後ますます日本人だからといって容赦することはなくなることは想像に難くない。ヨーロッパ、とりわけアジア圏内ではさらに警戒心が強まるのは明らかである。
因みに、外務省の異議で、電子版の見出しの方は「日本を軍事大国に変える」を「国際舞台でより積極的な役割を与えようとしている」に差し替えられた。要するに、見ればわかる具体的なものを、わざわざ抽象化して置き換えただけのことである。実質何も変わってはいないということである。
絶対に彼らに憲法をいじらせてはならない。多くの犠牲の上に成り立った、神々しくも大法典のごとく輝く根本法に、無能な野蛮人、亡者を近づけてはならない。
追記:後日、紀伊国屋書店で、店員に「TIMEの最新号は?」と聞くと、TIMEを扱っているにもかかわらず、「当店では岸田総理が表紙のやつは取り扱いも、お取り寄せもできない状況です」と答えたということである。その内、発禁本がいたるところで出てくるのであろう。いわんやメディアにおいてをやである。もうここまできていることを肝に銘じるべきなのである。
それぞれの人が、自分のできることをすれば、蟻の一穴もバタフライ効果同様に、思っても見ない大きな成果を上げるものである。(5/15)
2023 5/12
※G7については「五叉路」(159)